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2008・5・1 「海賊」 モスクワ・ボリショイ劇場

2008年5月1日

メドーラ・・・マリヤ・アレクサンドロワ
コンラッド・・・ドミトリー・ベロゴロフツェフ
ギュリナーラ・・・エカテリーナ・クリサーノワ
ビルバント・・・リナット・アリフーリン

 主要の役の4名それぞれの個性を発揮していて、役同士のバランスが取れていて 良かったと思います。見所もなかなかありました。演目も明るくコミカルな感じ なので、舞台上も客席も楽しそうな雰囲気でした。

  アレクサンドロワは、いつも安心して見る事ができる人の一人です。ピルエット などの回転系では軸足がしっかりと安定していて、クルクルときれいに回ってい ました。ジャンプの後の着地がドスンと音が響く事がたまにあって少し気になり ましたが、それ以外は良かったです。そして、むしろ海賊達をひきつれていきそ うな存在感と迫力。思わず笑ってしまいそうなくらいのすごさなのですが、女性 らしい華やかさもあわせ持っていて好感が持てます。

  ギュリナーラ役のクリサー ノワがふわふわ可憐なイメージなので、このくらい多少男前な方が舞台にメリハ リがついて良いのかも・・・? そのクリサーノワですが、モスクワっ子に受けが良い模様。彼女の出番には盛大 な拍手が送られていました。元々可愛らしくて華やかな印象がある彼女ですが、 頓に最近は主役など目立った役を踊る事が増え、存在感も加わったように思われます。
  2幕目にギュリナーラが登場した時には、舞台にぱっと花が咲いたようで した。踊りもそんな彼女の雰囲気動揺柔らかくふわふわとした感じで、特にジャ ンプが軽やかです。時々ぐらつく事がありますが、そこも愛嬌かと。欲を言えば 、もう少しきめるところはピシッときめてほしいです。パシャをからかうような いたずらっぽい仕草が可愛らしかったです。
  
  コンラッドはベロゴロフツェフ。この役はあまり出番も踊りの見せ所もなく、い まいち判断しにくいかな~…と思うのですが、踊るところはしっかりと見せてく れました。何となく力んでいる感じがしなくもなかった(動きひとつひとつは大丈 夫だったけれど、全体の流れがどことなくギクシャク)のですが、まあまあ良かっ たです。
  海賊たちの中では穏やかな印象ですが、オーラが首領です。演技はあく までもさり気ない感じで大げさ過ぎず、しかし確かな存在感がリーダーらしさを 醸し出していて良かったです。
 
   アリフーリンは、悪そうな感じの海賊でした。ギラギラとした感じではないので すが、どことなく黒い空気がまとっている感じで、コンラッドよりも悪い事を考 えていそうな雰囲気です。髪の色が黒いせいでしょうか。(ベラガロフツェフは金 髪っぽい栗色)フォルバンダンスはなかなか良かったと思います。ぴしっときまっ ていました。
  
  奴隷のパ・ドゥ・ドゥはアナシタシヤ・ガリャーチェワとデニス・メドヴェーヂ ェフ。メドヴェーヂェフが最初ちょっと硬かった感じがしましたが、段々と踊り にのっていって元気いっぱいな感じで良かったです。
  あとは・・・オダリスク。オリガ・ステプレツォーワ、アンナ・チホミローワ(初) 、アンナ・レオノーワ。初めてオダリスクを踊ったチホミローワは、まずまず無 難だったと思います。特に目立っていたのはレオノーワでしょうか・・・迫力が あります。 いつもこの海賊を観る度に思うことなのですが、3幕最後の大掛かりな船のセット のシーンはディズニーっぽいです。そのシーンだけ別世界・・・(笑)  

モスクワからの劇場だより

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