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2008・3・26 「THE LESSON/ラ・シルフィード」

2008年3月26日

モスクワ・ボリショイ劇場まずは最初に「THE LESSON」。

教師…セルゲイ・フィーリン
生徒…ニーナ・カプツォーワ
ピアノ教師…アンナ・アントロポーワ


 小作品のバレエです。この作品はとてもダークな世界観を持ち、かなり好みが分かれるでしょう。はっきり言って気持ち悪さすら感じるのですが、そこがこの作品の持ち味です。
 ヘンタイ教師といたいけな生徒、厳しいピアノ教師。出演者この3人。
 舞台は陰湿な雰囲気のバレエレッスン教室で繰り広げられます。教師と生徒だけだと異質な空間に思われますが、ピアノ教師の存在が現実感を持たせます。役それぞれにイメージがあっているかはとても大事です。そしてそれだけではなく、3名の相性がようかどうかがこの作品を作り上げる鍵になるでしょう。

 フィーリン、久々の出演でした。失礼ながら…とても変態度が高めでした。狂気の人、そういう役なんですが。いうだけではなく、かなりエロおやじっぽかったです。まあ、そういう役なんですが。いつものさわやか王子姿はどこへやら…全身からギラギラした変態オーラを発していました。逃れようとしても絡まりついてくるような執拗さで、逃げ出したくなる怖さでした。
(前回観た時はこの役はグダーノフ。彼の場合はごく普通の人っぽいのに、エキセントリックな感じが妙にリアルで、背筋がヒヤリとする怖さを感じました。)
 生徒役はカプツォーワ。この役は彼女にぴったりだと思います。他にルンキナやアレクサンドロワがキャスティングされていますが、やはりカプツォーワでしょう。彼女には特に“いたいけさ”を感じます。最初に観た時にあまりにも似合っていてまた観たいと思いましたが、こうしてもう一度観てみると、やっぱり役も、黄色い衣装もよく似合っているのです。個人的には、グダーノフとの方が、相性がいい気がします。
 ピアノ教師のアントロポーワはこの役では初の出演でした。まあまあ…かな。びくっとさせるような怖さはあったのですが、“厳しさ”という印象はありませんでした。あと加えるならば、もう少し冷たい印象が欲しかったです。 


次は「ラ・シルフィード」。

シルフィード…ナターリヤ・オシポワ
ジェイムズ…ヴャチェスラフ・ロパーチン
魔女…イリーナ・ジプローワ

…確かに短い作品ですが、仮にも幕物。小作品の後に幕物はやめて欲しい…疲れます。汗。

 オシポワといえば、勢いがあってエネルギッシュなイメージがあり、あまり妖精のようなふんわりとした役はちょっと…と思っていました。しかし、思ったよりシルフィードになろうとしているのがわかりました。踊り方がいつもより丁寧な感じです。意外な感じがしましたが、元々身体能力が高いのでしょうか、それなりにキレイに踊っていました。表情の険しさが時々気になったけれど、まあまあでした。
 ジェイムズ、ロパーチン。この日は調子良さそうでした。着地やポーズがスタッときれいに決まっていました。踊りがなめらかできれいです。特に手足の関節のやわらかさは素晴らしい。
 この日の魔女は女性でした。ジプローワ。
 ほくそ笑む感じの魔女。男性演じる魔女も不可思議でいいですが、女性だとやはり魔“女”だなあと思います。意地悪な感じがします。


モスクワからの劇場だより

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