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ミハイロフスキー劇場(2008年2月10日)

2008年2月10日

■会場にたどり着くまで
 
    芸術広場に面したところにあり、近くにはカザン聖堂、血の教会という観光名所もあるので、ロケーションは抜群の劇場です。

  地下鉄を使っていく際には、ガスチーヌィ・ドヴォール駅(ネフスキー・プロスペクト駅)の“グリバエーダヴァ運河”口から出るのがコツです。そこからはグランドホテル・ヨーロッパを通って行っても距離としてはあまり変わらないのですが、行きやすい方のルートをご紹介します。
運河沿いに血の教会の方向に歩いて行き、最初の角を曲がると,
おじさんの銅像があるレストランの前を通ります。そのまままっすぐ行くともう芸術広場が見えます。ネフスキー大通りを背にしてプーシキン像の前に立つと、正面にロシア美術館、背後にグランドホテル・ヨーロッパとボリショイ・ザール、そして左手にあるのがミハイロフスキー劇場です。

  なお、ここにはいくつもドアがありますが、実際使われているのは基本的に2箇所だけです。それ以外は施錠されているので、安心して手当たり次第ガチャガチャやりましょう(笑)

  今シーズンになって、マーケティング部が設けられたり、プレゼン・イベントを行うなど、新しい風でいいなと思うのですが、チケット・システムが不安定なのは早く何とかして欲しいです(笑) 観光客は普通に前売り券を買うしかないのですが、一応現時点(2008年3月20日)では、たとえば日本人留学生が買える格安券もあります。開演30分前にボックスオフィスに並んで、外国人であれば学生証(ロシアの大学が発行しているもののみ有効)を見せれば立見席が50ルーブリで買えます。立見席と言っても、空席があれば係員の案内に従ってそこに座ることが出来ます。早めに並べばそこそこ確実に買えるようですが、何せ今のところ全てが不確実なので(笑)買えればラッキー位に思っていたほうが精神衛生上楽かなと思います。 ちなみに前売り券は基本的に一番安くて280ルーブリ(≒1300円)で、朝公演や、あまり人気のない演目、子供向け公演は少し安めです。

写真:客席内
(改装後きれいになったのはもちろんですが、設備もハイテクになって

 
■席に着くまで~劇場の施設について~
 
 多分この劇場のコンセプトは「リッチに芸術鑑賞」に変わったのだと思います。劇場のセキュリティもとっても厳しくなりました。入口はいって左手にクロークがありますが、第2、第3ヤールスの人はその階にもクロークがあるので、そちらに預けなければいけません。

  改装後何が一番変わったかというと、貧富の厚い壁が設けられたことでしょうか(笑) 1階席、2階席など席のランクごとに入り口が違うところまではマリインスキー劇場でもどこでも同じなのですが、ここは一旦4,5階席用の入口から入ったら、どうやっても下の階には行けないように出来ています。なので安い席で入って下の階を探検したい方は、幕間まで待ちましょう。なお、階段の装飾にまで貧富の壁があからさまでちょっと笑えます。

  第二ヤールス(4階)と、ベリエターシュ(2階)にビュッフェが設けられていて、その近くにお手洗いもあります。高級ホテル並みでとっても快適です。

  この劇場の素晴らしいところは、婦人トイレがかなり多く設置されていることでしょう(別にそれだけではありませんが…)。上に挙げたほかにも、各階の客席脇に一つずつあります。

  パンフレットは露語版が20ルーブリ(≒90円)、英語版が40ルーブリ(≒180円)です。

写真:第3ヤールス(実質5階)の一番端の席から
(とりあえずここが一番観にくい席だろうと思いますが、センターでも最前列でなければ前の人の頭で何も見えない、ということもありえます)

 
■公演
 
  この日はお子様向けのバレエ「チッポリーノ」でした。衣装も装置もとてもかわいらしいバレエですが、イデオロギー的にはソヴィエト・バレエで,上演時間は2幕構成で2:10ほどでした。

 
  ロシアの高名な舞台美術家、ワレリー・レヴェンターリが担当したi衣装・装置はまるでロシアン・ディズニーです。原色でファンシーな世界です。とはいえ色彩のバランスが取れているし、そもそもこの作品が役名からしてどこまでもファンシーなので、ピッタリです。“花”のコールドの華やかな衣装が特に印象的でした。

  子供向けだからスピード命なのでしょうか、装置はアッサリした書き割り式です(もちろん書き割りそのものは華やかなんですが、この人の装置は基本的にもっと立体的なので)。場面転換は更にカーテン代わりの書き割りを下ろしてその後ろでサッ、という感じ。

  肝心の踊りについてですが、主役のタマネギ坊や、チッポリーノはさすがにパワフルなテクニックで、子どもたちも大喜びでした。サマルスカヤは、あれはああいう役だからああいう踊りだったのか、おきゃんすぎるくらい元気でした。

  

  バレエでは「ジゼル」と「チッポリーノ」、オペラでは「カヴァレリア・ルスティカーナ」が今シーズンすでにプルミエ(新作)となっています。ペテルブルク第二のバレエ団として、基本的な古典バレエは元々全てレパートリーに持っていましたが。民間のバレエ団に移行してからは、衣装・装置をどんどんゴージャスに作り変えています。元々ダンサーのレベルには定評があるバレエ団なので、そういう意味では「ハズレ」の公演は格段に少なくなりました。 


写真:ベリエターシュ(実質2階)
(椅子さえとっても高級感にあふれていてリッチな気分になれます)

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