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第19回国際芸術フェスティバル『アヴァンギャルドから現在まで』 (フィラルモーニア 大ホール) 2010年3月10日

2010年3月10日

 「ショスタコーヴィチの未完の手原稿が見つかって、世界初演が行われる!」というので勇んでフィラルモーニヤに駆けつけたのですが…。

サンクト・ペテルブルグ国立アカデミーシンフォニー交響楽団
芸術監督/主任指揮者:A・チトフ
スモーリニー寺院合唱団 芸術監督:V・ベグレツォフ
青年合唱団「ペテルブルグの声」芸術監督:M・ゴリコフ
ソリスト:Y・マルーシン(テノール)、O・ペトロヴァ(メゾソプラノ)、
      B・ピンハソヴィチ(バリトン)、S・ムラヴィヨフ(テノール)

<第一部>
ショスタコーヴィチ 交響曲のスケッチ1945年
ロスラヴェツ 「10月」ソリストと混声合唱団、オーケストラのためのカンタータ(1927)
ソリスト:O・ペトロヴァ、B・ピンハソヴィチ
 コンサートが始まる前は、世界初演というわりには観客席も超満員でもなく、なぜだろうとちょっと不思議に思っていました。演奏が終わって納得。短すぎてなんだかわからない!時間にしてみればものの五分程度。当日の司会者が原稿には一切手を加えていないことを強調していたのが思い出され…。このスケッチは交響曲第九番の初稿にあたるそうです。あとで調べたらすでにCD録音もされているんですね。どういう意味で世界初演だったのか、司会者の意図はわかりませんが、内容的にはおもしろかったです。おもおもしくもするどい行進曲風に始まり、ユダヤっぽい旋律も加わってきたりして、いかにもショスタコーヴィチな曲でした。ただ短すぎておそらくクライマックスに到達する前に終ってしまいましたが…。ちなみにソリストのペトロヴァはサンクトペテルブルグ音楽院をおととし卒業したばかりですが、その抜きん出た歌唱力ですでにいろいろな舞台で主役を務め、フィラルモーニヤでソロコンサートを行ったりもしています。ピンハソヴィチは音楽家一家に生まれたサラブレッド。まだサンクトペテルブルグ音楽院の生徒ながら、ソリストとしていくつも舞台をふんで、さらにはペテルブルグのオーケストラ芸術監督(指揮)もこなす才能あふれる若者です。二人とも、キーロフ劇場で一時代を築いたメゾソプラノ歌手ボガチョーワの愛弟子で、これからの活躍もとても楽しみです。

<第二部>
戦時中の歌曲 オーケストレーション:Y・ポテンコ
「軍歌もすばらしいオーケストレーションによってシューベルトやショーンベルグと同等の芸術的高みにのぼる!」という司会者の言葉で始まったコンサート。うーん、それぞれの旋律は美しくてもちょっと苦しいかも…。

ロシアのコンサートホールでは毎日のように演奏が行われ、レパートリーも多岐にわたります。すでに忘れ去られたバレエ曲や上演回数の少ない交響曲なども聴くことができます。



サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記

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