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モスクワから東方に約800キロのところにあるロシア連邦タタールスタン共和国の首都、カザンに位置するオペラ劇場です。タタールスタン共和国の直接の起源は、13世紀末にロシアに攻め入ったモンゴル系遊牧民族・タタール人。もともとヴォルガ河に臨む交通の要衝ということもあり、カザンは現在ロシア有数の工業都市となっています。 連邦とは大雑把に言うと独立性の高い地方自治体の集合体なので、カザンはロシアの地方都市でもあると同時に、共和国の首都でもあります。こうした共和国の中でもタタールスタンはトップクラスの経済水準にあるので、一口に「ロシア地方都市の劇場」といっても、このタタール国立オペラは特に財政面で他と違った基盤を持つと言えるでしょう。 そのタタール国立オペラ劇場の大雑把な略歴をご紹介しますと、創立は1939年なので現在69シーズン目。今の建物になったのは1956年、その翌年に国民的詩人であるムーサ・ジャリリ記念とし、1988年、アカデミーの称号を付与されました。 近年の目立った功績としては、「ユスフェの物語」(音楽:レオニード・リュボフスキー/振付:ゲオルギー・コフトゥン、ニコライ・ボヤルチコフ)で文化・芸術部門での2005年度ロシア国家賞を受賞、また「くるみ割り人形」でオランダのテレビ局Channel AVRO2が主催する2005年度“ベスト・ステージ・プロダクション”のグランプリを獲得などが挙げられます。 こうした劇場の躍進は、劇場総裁であるラウファル・ムハメトジャノフ氏によるとことろが大きいとのこと。1981年にそのポストについてから、彼はシャリャーピン記念オペラ・フェスティバル(’82年〜)、ルドルフ・ヌレエフ記念クラシック・バレエ・フェスティバル(’87年〜)という2大イベントを軌道に載せました。また、ソ連崩壊後はいち早く海外に活路を見出し、近年は年間約150回の本拠地カザンでの公演をこなしながら、年間130回以上の公演を海外で行っています。その海外遠征先は以下の通りです:オランダ、ドイツ、ベルギー、スイス、オーストリア、ポルトガル、スペイン、フランス、ノルウェー、デンマーク。 と、これだけ書くとドサ回りのツアーリング・カンパニーかと思われるかもしれませんが、実際は毎年のように同じ都市をまわる恒例行事となっていて、各地との信頼関係も深いそうです。 |
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日本ではほぼ無名のバレエ団なのですが、「カザンにはいい劇場がある」という話はロシアの劇場関係者からはよく耳にします。今回、タタール−日本文化情報センター《SAKURA》ディレクターを務めるアーシヤ・サディコワさんの協力のもと、このタタール国立オペラ劇場をバレエ団を中心に取材することが出来ました。結論からいうと、「日本ではほぼ無名のカンパニーなので、そのレベルの高さにビックリ」です。白状すると、侮ってました…すみません(笑)各リンクからそれぞれ細かいレポートにジャンプできるようになっているので、ここでは簡単に取材の概要をお話します。
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